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足の外来(3)足の圧編

2021.09.28

足の外来(3)では、小学生2年生から6年生までの4年間、靴選び+インソール療法で、足の形が良い方向へと改善した症例のお話をしたいと思います。

 

 

 

 

初診時、小学2年生の女の子です。

 

歩き方がおかしく、X脚がひどく感じる、足の指も外反母趾になってきたのではないかと、親御さんが心配し来院されました。

 

 

足の外来では、歩き方や、足部アライメント、全身などを評価したのちに、足の情報をより確かにするために足圧(足のウラを)を測定できる機械でスキャンします。

 

 

before

 

 

 

こういった写真は普段あまり見る事がないですよね。

 

そもそもなぜこのような圧になるかわからないし、

 

この画像をみて、これって良いの?悪いの?

 

その判断がよく分からないという方もいるかもしれません。

 

 

足のウラには様々なパターンや特徴があるんです。

 

また年齢、遺伝、環境によっても一定の傾向が見られます。

 

そのように個人によって、様々な足圧があるのですが、結論からいってしまうと、この写真の足圧は決して良い状態とは言えません。

 

 

それでは、理想の足の圧はどんな状態なのか?

 

 

前回、足の外来(2)幼児編では、発育の最中に足のアーチをうまく形成できる事が理想だというお話をしました。

 

その様な理想のアーチが形成できると、ちょうど足型のスタンプのようになります。

 

内側の圧だけうっすらない状態(足のアーチがある)くらいで5本の足趾に圧がある状態👣

 

上の写真では、足趾が第1趾(親ゆび)以外ついていないのと、小指外側の圧がのっておらず、偏った状態です。

 

これは歩き方履いている靴靴底の削れ方を合わせて評価してみても、足圧との共通点が重なってきます。

 

 

 

ではよくない圧の場合、どうすれば改善できるのか?

簡単な要点となってしまいますが、以下になります。

 

 

 

 

足の育成、改善に重要となる要点

 

 

・足の環境(靴選び、インソール、テーピング、靴下など)

 

・足の機能(歩き方、足趾や足関節の運動神経の改善)

 

※靴選びにおいては、様々なメーカーの中から患者様の足にとって健康となる条件を満たしたものを提供できるようにしています。

 

 

 

 

当院の足専門外来では、現在の状態を的確に評価し、縦断的な相談や、アフターケアを含め改善へのお手伝いをしていきます。

 

こうして、患者様の足が本当に良い方向に向かって改善できているかを、歩き方の視診評価だけではなく、スキャンした足圧を可視化し、前後比較していきます。

 

今回の場合は、発達過程のお子さんなので、発育が正しい方向に導かれているかは大切なポイントになります。

 

このような過程を経て、症例の女の子が4年後の6年生となった時の足圧です。

 

 

after

 

 

 

足の指(足趾)の圧、外側のアーチ、外反母趾の改善がみられ、土踏まずも当初より形成されています

 

まだ左の5趾(こゆび)など、体重がうまくのっていない所もありますが、前後で比較していくと随分よい状態になった事がわかります。

 

また足部が改善する事で、X脚変形や、歩き方にも改善がみられます。

 

この子の場合は、定期的に通院してくれて、日々しっかり要点を努めくれていたので、良い結果へと繋がる事ができました。

 

子ども達は、発育の過程の最中に、上記であげた要点を間違えたり疎かにすると、変形が助長される子もいますので、健康な足の形成において、日頃からの取り組みが本当に大切だと感じております。

 

過剰に意識して取り組まなくてはいけないと無理する必要はなく、自然と毎日の当たり前を変えるだけで、健康な発育を促す事ができると思います。

 

もし何かお悩みや心配がある方や、親御さんがおられましたら、いつでもご相談くださいね。

 

 

 

 

 

 

 

すっかり秋になってきましたね。

 

なんだかんだ個人的に、この季節はとても好きです。

 

もうすぐ地上に訪れる紅葉を楽しみにしながら、ふわふわいけたらなと思います。