偏平足その3(アーチ獲得の運動動作)
今回は、扁平足シリーズその3(運動能力の獲得について)を書いていきたいなと思います。
これまでに、足やカラダの健康にとって、できる事であれば土踏まず(足のアーチ)を形成できる事は、人生において大切です!というお話をさせていただきました。
生まれ立ち始めた時は誰もが扁平足であり、6、7歳頃に向けて土台となる足のアーチが形成されていきます。
足の形には人種や型の種類、遺伝などで程度に違いがありますが、どの型にせよ重力下で二足歩行をする私達にとって、アーチを形成できる事は好ましい事だと思います。
そして、前回その過程の中で重要になってくる要点を大きく3つ述べさせていただきました。
・前回の要点
①運動能力の獲得
②靴、履き物の選択
③地面の環境
今回は①の運動能力の獲得についてお話したいと思います。
まず運動能力の獲得とはどういう事なのでしょうか?
このワードだけみると、すごく範囲の広いものになってしまいますよね。
ハイハイや摑まり立ち、駆け出しから、スポーツ分野では小学生あたりでゴールデンエイジというワードがあったり、年配になってくるとロコモティブシンドロームというワードがあったり、最近では美活やダイエット、筋トレなど、運動能力と一言で括っても、その様相は様々です。
例えば発育で運動を考えてみると、赤ちゃんの時から対象に向けて眼を動かしたり、視線を合わせたり、微笑んだり、手を伸ばしたり、指差ししたり、快や不快を感じて泣く行為だったり、それらも十分に運動器を使った運動動作です。
身体はそういった意味で、年齢の段階に適した様々な刺激が促される事により、健全な発育をできるのが望ましいのだと思います。
範囲には、広かったり、狭かったり、色々な見方があるかと思いますが、ここでの運動能力は足の発育について焦点をあてますね。
皆さんは、土踏まずってどのように形成されるイメージをお持ちでしょうか?
足のアーチというくらいだから、骨の配列が橋のように出来上がっていたり、足の裏に隙間ができてくるようなイメージが浮かぶんじゃないかなと思います。
イメージは浮かぶけど、これってどうやって出来上がるのでしょう?
人は元来から自然とそのようにプログラミングされているのではないの?
なんて素朴な問いかけがでてきそうです。
形は浮かんでも、どのように形成されるのかについては、以外と想像しにくいかもしれませんよね。
確かに元々の構造については、DNAによってプログラムされているかもしれないし、はたまた自然や神さまが用意してくれた産物かもしれません。
しかし足のアーチを形成するには、それらを放置しているだけでは、その形は出来上がってくる事はないのです。
その発育(カラダも含め)には、実生活での二足歩行による活動の刺激が必要となります。
そう、足のアーチ(土踏まず)は足や足趾の運動により、筋肉が作用する事で形成が促されていくのです。
よく、内の家系は扁平足なので、私もしょうがないのです。という患者様にお会いする事があります。
確かに体型などと同じく、遺伝の影響も少なからずあるといえますが、それだけで全てを諦めてしまう事は、とても偏った捉え方になってしまいます。
大切な発想として、格年齢の段階に適切な運動動作の刺激が身体にはいれば、発育は促されるという事です。
繰り返しになりますが、ハイハイや寝返りなども含めて、立ち始めてからの歩行動作の獲得、無邪気にかけ出せるような環境下での運動は、足の発育にとってすごく重要なポイントになってきます。
こんな事考えなくても、子供たちは目の前の世界で自由に遊びだす時に、自然とその能力を獲得していきそうなものですが、現代社会の環境はそう簡単に軽視できないような問題が多発しています。
よく出てくる代表的な足の問題に「浮き指」という症状があります。
これはきっと、耳にした事がある方もおられるのではないでしょうか?
嬉しいニュースではないですが、近年は新聞やテレビなどのメディアで、これらの状態について警鐘をならすように取り上げられる事がふえてきました。
この浮き指は、もちろん子供だけではなく、大人や年配の方にもよくみられます。
子供と大人ではカラダの質に違いがあるのですが、共通して良くない形態と断言できるのではないかなと思います。
このような浮き指、なぜ起きるのでしょうか?
足の構造はとても複雑なので、簡単に説明しますでは不十分になりますが、、、
一つの明らかな原因として、足趾の機能をうまく使ってこないという事がいえます。
具体的に足趾で握りったり、掴んだり、蹴り出したりする能力をうまく使用していないからです。
ひびき整骨院では、足の患者様に簡単な機能テストとして、日頃から足の指を握ってみてもらう確認を必ずおこなっています。
厳密には、握れるか?開けるか? 片足立ち、カカト立ち、つま先立ち、歩行分析なども行います。
そして、これらの誰でも出来そうな運動能力について、うまく操作できない患者様が思っている以上に多いのです。
もしこれを読まれている方は、ご本人、お子さま含め、足の指がうまく握り込めるか、またはパーの動作でうまく足を開けるかなどを、一度確認してみてください。
もしうまく出来ないようであれば、今後の未来において注意が必要です。(子供も大人も)
特に多いのは、4(薬指)5(小指)がうまく握り込めなかったり、親指や小指を外側に開くパー動作が出来ないといったケースです。
足の指の機能はけっこう軽視されがちなのですが、これを手に置き換えて考えてみると、結構大変な事だ。。。
と想像しやすいのかなと思います。
普段生活の中で、家事や勉強、PCやスポーツなどで、繊細な手の動きを自然と使用してるはずですよね。
足は手とは構造が似ています。しかし、地面を支えているという意味で機能的には大きな違いがあります。
これらの違いについての説明はここでは省きますが、手にせよ、足にせよ、自然と備わっているカラダの機能をうまく使える事は、本来の正しい在り方だろうという考えに、ほとんどの方が賛同してくれるのではないかと思います。
そうこれは一言でいってしまうと、本来使えるはずに用意された機能の不全とも言えます。
この機能不全のままの状態で、カラダ(足)を持続的に使用した結果、浮き指や足の変形(外反母趾、開張足)に繋がりやすくなってしまうのです。
ここには、現代社会の中における靴選びの影響も大きく関係してきます。
そして、子供たちの場合は骨の形成やアーチの形成に関係してくる事なので、運動機能をうまく刺激できない事は、健全な発育への弊害要因となってしまうのです。
(図:浮指の一例)
なんか話が長いうえに、脅しのような話になってしまいました。。。 汗
しかしそんな不安で、話のオチを落としたかったわけではないのです。
あくまで、機能の改善と良い発育を促せる方法をお伝えする事ができたらなあと!
という事で、最後に年齢を問わず、今日から行える希望のエクササイズを簡単にご紹介しますね。
これはカラダを形成中のお子様から、スポーツを頑張る学生、足や身体が硬くなっている大人の方まで、誰もが日頃から簡単に活用できる足や足趾の健康法です。
説明が写真の説明文と併用になっています。
どちらも参考にして取り入れてみてください。
①握足手
(右手と左足or左手と右足で握手)
手と足で握手するような運動です。
しっかり深く握り合ったり、上下に動かしたり、左右に回したりしてください。
1:上下に10回づつ動かす
2:左右に10回づつ回す
3:深く握手し合う。5秒強く握って緩めてを5回繰り返す。
その際に足の指で強く、手の指を握れるよう意識すると効果的です。
(出典:子供の成長は足できまる)
②パー動作
小指と親指をしっかりと外側に向けて広げましょう!
これは片手でしていますが、両手を使ってストレッチしてください◎
・20〜30秒 1〜3セットくらい
③タオルギャザー
(出典:子供の成長は足できまる)
テレビ見ながらとか勉強しながらでもいいので、タオルを足の指でニギニギしましょう。
スポーツ分野では、足の捻挫のリハビリでもよく使われます。
・タオルを手繰り寄せる 左右 1〜3回
・そのばで握るを繰り返す 左右 10〜30回
④つま先立ち・カカト立ち・アキレス腱伸ばし
(出典:子供の成長は足できまる)
つま先立ち:足の指10本に体重がのるように意識(5〜10秒)
カカト立ち:姿勢が前かがみにならないように意識(5〜10秒)
アキレス腱伸ばし:後足のカカトが地面から浮かないよう意識(20〜40秒)
以上です。
これ以外にもたくさんのエクササイズがありますが、まずはこれらの動きをしっかり作る事ができれば、きっと足の健康に貢献してくれるはずです。
子供の発育はもちろん、大人も生涯最後まで機能が使えるほうが良いです。
何か(テレビやお風呂、歯磨き)をしながらでもいいので、是非日常にとりいれてみてくださいね。
次回の扁平足シリーズその4は、靴と履き物の選択について書いていきたいと思います。
また興味ある方は覗いてみてください。
最後までご拝読ありがとうございました。
健康な足で快適な日々をお過ごしくださいね。
暑い日々です。 早くも夏が来る〜