この夏の読書(なぜ記憶)
この夏、自分にとって忘れられない本に出会えました。
ネタバレとかはないですが、、、
もし内容を感じたくない人がいたら
ブログ読み進めない方がいいかも。
今回は、ただの独り言の回です 笑
僕の勝手な語りを聴いてもいいよ!
という暇がある方だけ読んで見てください。
とりあえず本を紹介しますね。
わたしを離さないで
著カズオ・イシグロ 早川書房
ジャケットもカッコよくて好きだ〜
今年のタイミングで出会って
今のところ2023年で一番の記憶に残りそうな1冊。
軽薄で勝手な解釈ではありますが、、、
愛や記憶というものについて、1歩深く内省する事ができ、以前より少し近くで、それらに触れられるような気持ちになりました。
自分で言うのもなんですが、僕は記憶に残るものについて、個人的に強い関心と興味を持っている方だと思います。
それがなぜなのか?
それは自分でもよく分かっていません。
もしかしたら、自意識過剰なだけで、基本的に誰もがそうなのかもしれないですし、そんな過去や記憶をあえて重要な視点で語らず、常に現在と未来に焦点をあてて生きるという心持ちを大切にしている人がいる事も知っています。
もちろん、時には僕もそんなチャンネルを。
特にいまここに集中できている時は、それはそれで気持ちいい事でもあり、興奮とライブ感を雑念なく楽しめる時間。
時にないアタマも冴え、静観できる時もあります 笑
日々不注意がすぎて、あんましそんな状態は突入できないんですけど。
また未来にこう在りたいという事への進路を考える事もよくあります。
記憶というと過去をイメージする人も多いかもしれませんよね。
過去っていうとなんか一般的にポジティブな印象にならない事が多そうです、、、
現在と未来をよりよく生きる事を求める姿勢についても、ある意味では記憶に残すためともいえそうって感じていますが。
そんな御託、ここでは慎みたいと思います。
このどうでもいい話、それぞれの人の時間軸の焦点の当て方(認知)に正解を問いたり、導きたいわけではないのです。
ただ記憶は不思議だって、
いつもなぜか自然とそういった事を考えてしまいます。
って、そんな話。
この本を読んだら
よりしたくなってしまったよ!
ってだけの回なんです 笑
昨今テクノロジー時代が進んでいってる事も、少なからず関係しているかもしれません。
たぶん。タイパとか、コスパとかとは真逆。
むしろタイパもコスパも悪い時間でしか、記憶されない領域の話かもしれません。
そんな時間を、他者と共に過ごす事への重要性を感じているのだと思います。
記憶。
思いだす事はなんだろうって。
(好きなアーティストの歌詞で印象的)
普段は意識できなくても、遠い記憶になっても。
いつでも鮮明に思い出せる事はなんだろうって。
これは歳を重ねた方が増えていくとか、経験値が豊かとかそういった安易な話ではないはずです。
逆に歳を重ねて薄れていくケースも多いはず。
その人にとって重要な記憶になり得るものは、いつ世代の体験において訪れるか個人によってわかりません。
もちろん、幼少期や思春期と、成人期や老年期では、印象の強さや自己の形成において明らかな影響力の違いはあるでしょう。
しかし、無理やりですが、、、ほんとうに無理やりだけど、通ずるのではないかと思う事に、当人にとって本当(ほんとう)の経験をするということなのかもしれないと思っています。
なぜかそんな事を、自分が重要視してしまうのは
人より、かなり毎日の時間軸を忘れやすいからなのかもしれません。
なんせ月曜日に、月曜日である事を忘れる男なんです 笑
患者さんや、スタッフさんに今日は何曜日?
って毎週にわたって幾度も発言している気がします。。。
しかも患者さんには、自分なりにバレない言い方してます 笑
どうでもいい話でした。
そんな、どうでもいい男の話は消去してください 笑
記憶に話を戻しますね。
学問的には記憶も、手続き記憶とかエピソード記憶とかいろんな種類があるけれど、そういう話もここでは、どうでもいいかなと思います。
とりあえず一般的には、記憶がないという人はあまりいないですよね。
もちろんそこには、人によって肯定(残したい)したいものもあれば、否定(消したい)したいものもあるかもしれません。
人は意識的にも無意識的にも、それらを選択して現在を生きていると思います。
忘れたい事は忘れていいはずだし、覚えていたい事は覚えていていいはずです。
たとえば皆さんは忘れたくない。
忘れられない思い出の一つや二つきっとありますよね?
その逆に、ある程度大人になれば、誰だって忘れたい記憶や、消し去りたい過去は少なからず、持っているもの。
失敗のない人がいたら、それはそれで何かが恐いかもしれません 笑
また過去や記憶が大切と言っても、哀愁やノスタルジックに偏って、現在を否定したりするノリは好きではないし、過去の栄光に縋り、未来の道幅を縛るのも自他共に対して望む人は少ないと思います。
他者にそんな話を無理にするのも、逆にそれをきかされるのも、もはや今の時代はハラスメントとなりそうだし。。。
時と場合において、それを聴くのも嫌いじゃない方なんですけれどね。
それはおいといて。
記憶について声を大にしていいたい事として、僕が重要視しているのは、ネガティブなものではないという事です。
その逆の力(ポジティブ)をもらっている。
なぜか(現在や未来)支えられている。
そうした、肯定したいもの達です。
それなしでは、今の自分が形成できなかったという記憶です。
それらについての経験を大切に感じているのだと思います。
自分だけの取捨選択では、形成不可能な体験と記憶。
記憶は、時間が経つと薄れていくものが多くあります。
忘れっぽい自分なのに、、
鮮明さを持って、なぜか絶対に忘れない記憶が自分の中にたくさんあります。
そこには基本的に他者が存在していて
そういった記憶たちのおかげで、
今日も温かく生きれてるんだって。
そんな気持ちになる時があるんです。
東京時代の恩師であり友人は、
人生は思い出作り
そんな名言を、とある何げない飲み会の中で話ていました。
当時は、その内容も意味も、誰もがいいそうな事だと軽く聞こえていたのを覚えています。
今では、子供時代、思春期時代、親世代になっても、老年になっても、どの世代においても、とても本質的な一言だなあと、その深みをしみじみと感じ出しています。
先生に足を向けて寝られませんね 笑
「わたしを離さないで」
自分では日頃言語化できない感覚を、繊細な文章と描写で感じさせてくれた1冊でした。
何かこのストーリーと近い経験をしたとか、そういう事ではないのですが、、、
というかできないでしょう。。。
けれど本質的に重ね合わせたくなるような、深く突き刺さるものがありました。
人によっては、また感じ方も感想も全く違うかもしれませんよね。
読んだ人がいたら、またそんな話や感想会もどこかでしましょう。
これまでも、これからも
他者と「何か」を交換できる時間が訪れたら、
それはとても素敵な記憶になると思っています。
皆様いつまでも、いい思い出作っていきましょうね。
まだまだ暑いけど、もうすぐ夏も終わりそうです。